カッパ君がころんでも!

ダウン症を持つ男子中学生との生活と、母のつぶやき

震災から8年 No.2

昨日のblogでは「東日本大震災が起きた日」と
いう事で、私自身は自分が被害にあったわけ
ではないけれど思い出すのが辛かったです。
blogに載せてみたいと思った、ある雑誌に
掲載されたこの手記も書けずにいました。

でも、私なりに震災のことを覚えておきたいと
思いました。
あれだけの被害があったにもかからわらず、
頭の中で風化してしまいそうになる事が
怖いなと感じたからです。

ある雑誌に、Kさんの手記が載っていて
読んで感動した事がありますので、
今日は描かせていただきます。
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東日本大震災から8年「新たに一歩」

Kさんは、迫り来る地震後の大津波に、
玄関先に出ていた家族や近所の人と
一目散に走りだし、裏山を這い上がりました。
必死に津波を振り切り、Kさんが後ろを
振り返ると、「家や家族が濁流に引きずり
こまれていた」という事です。

お兄さんが濁流の中に見え、もがきながら
お兄さんが手を伸ばしますが、わずか20㎝
その手に届きませんでした。

Kさんは4人兄弟を失います。高校2年の3月、
「目の前で家族が流されているのにどうする
こともできなかった」と絶望します。

震災以降、自分に起きた出来事が理解出来ず、
現実から目を背けてしまいます。
「(亡くなった)家族のことを考えると、自分が
どうなってしまうか分からない怖さがあった」
そうです。

言葉にだすと胸がえぐられるように苦しく、
「自分の内に秘めている方が
よっぽど楽だった」と感じていました。

4年前の冬、ハッとした事がおこります。
亡くなった家族や親友の「顔は浮かぶのに、
声が思い出せない」。大切な人との記憶の光が
自分の中から消えていく気がして、Kさんは
愕然とします。

Kさんは、そんな事になるくらいなら、
悲痛に抗ってでも亡き人を思い、些細なこと
でも記憶を命に留めようと決めました。
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しかし、Kさんにはどうしても拭えぬ負い目が
ありました。「正直、家族をを見殺しにして
しまったという思いが、ずっと心の中にある
から、俺に幸せになる権利はない。
でも、残った家族や親戚には、笑顔で、幸せで
いてほしい」と望むようになります。

Kさんは「自分が幸せになれないようでは、人を
幸せにすることはできないのでは?」と考え、
だからこそ「大切な人に幸せになってほしい。
だから、自分も思いっきり笑って、幸せに
なってみせる」と決めました。

この8年を振り返り、Kさんは「震災を乗り
越えたわけじゃない」と、、、。
ですが、「震災を引きずっているわけでもない」
とも言っています。
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Kさんは照れくさそうに笑いながら、
「自分に起きた全てのことを背負って生きて
いくと決めた」。それが、自分らしい復興の
描き方だと、話しました。
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大体、このような内容の記事です。

「忘れる」ことで、
踏み出せる一歩もあれば、
「忘れないこと」が、
生きる力にもなることもあるのかも
知れません。

それぞれの歩みで、被災地は、明日へと生き
ているのでしょう。きっと、苦楽を抱きしめ
ながら一歩を踏み出す姿がそこにあるはずだと
思います。

私も、今の課題に向き合う事での悩みや
苦しみ。これから起こるであろう様々な
苦難を自分なりに逃げずに、全てを背負って
笑って生きていける強さを少しずつ積み重ね
て生きたいと思いました。

私の親戚は、岩手県の大船渡や陸前高田
います。自分が見たことのある風景が変わり
はてた姿を見たときショックでたまりません
でした。

また、海に近い場所に住んでいた記憶があり
、震災後5日間連絡が取れなかった時、
とても心配でしたが、「生きてるからな!
後ろに沢山人が並んでるから、もうこれで
切るぞ」と衛星電話がかかってきたとき、
本当に安心しました。

私達のデイサービスに通う、ご利用者様は
東北出身の方が比較的多いです。
毎年、ご利用者様と3月11日の14時46分には、
皆さんと一緒に黙祷を行い、
NHKテレビで行われる慰霊式典を見た後に
震災の「あの日」を振り返り言葉にし、
みんなで共有し合うようにしています。
最後には、みんなで毎年「花は咲く」を
歌います。

東北出身の方、身内で津波により亡くなった方
特に出身でも、そこに身内や被害にあわれた方が
いるわけではなくとも、テレビを見たり
歌を歌う中で泣いてしまうかたもおられます。
みんなで分かち合う事に大きな意味が
あると思い、毎年そんな時間を作っています。

そして、今を生きている自分、決して1人
ではない自分に気がつき、一歩ふみだそうね
と励まし合っています。

昨日の震災の思い出に引き続き、改めて
今を大切に生きようと決意した1日でした。

読んでいただきありがとうございました。

明日が、これからの私達にとって
未来を照らす一歩になるよう
心から願っております。

おやすみなさい。